1970年代から1980年代にかけて、しばしば試みられていたのが現代的な明朝体、ゴシック体などに組み合わせられるように同一の筆づかい・まとめ方で設計した書体である。これは『レタリング 上手な字を書く最短コース』(谷欣伍著、アトリエ出版社、1982年)の本文に使われていた試作書体にもみられる。それをやってみようと思った。
「セイム」は、欧字書体のローマン体、漢字書体の現代明朝体と組みあわせる和字書体として、2000年に制作したものである。制作した当初、漢字書体は平成書体を念頭に考えていた。ウエイトは、W3、W5、W7、W9を制作することにした。つぎに、欧字書体のサンセリフ体、漢字書体の現代ゴシック体と組みあわせる和字書体として、2004年に「テンガ」を制作した。
平成明朝、平成ゴシックはあったが、平成アンチックは制作されていない。そもそも漢字書体のアンチック体は存在しなかったのだから仕方のないことだ。私のイメージとしては欧文書体の「スラブセリフ」に近いイメージだった。欧字書体のスラブセリフ体、漢字書体の現代アンチック体と組みあわせる和字書体として、2010年に「ウダイ」を制作した。
漢字書体を「白澤」書体としてバージョンアップする際に、グランド・ファミリー化して全体的な名称を「みそら(三空)」とした。「セイム」(みそらロマンチック)には「白澤明朝」を、「テンガ」(みそらゴチック)には「白澤呉竹」を、「ウダイ」(みそらアンチック)には「白澤安竹」を組み合わる。
「みそらロマンチック(セイム)」(2022年予定)
「みそらゴチック(テンガ)」(2022年予定)
「みそらアンチック(ウダイ)」(2022年予定)