和字書体「めぐろ」、漢字書体「端午」と組み合わせる欧字書体として候補になったのは、サンセリフに分類される「ギル・サン (Gill Sans)」、「フツーラ(Futura)」、「ヘルベチカ(Helvetica)」であった。
ギル・サン (Gill Sans)
碑文彫刻家のエリック・ギル(1882−1940)は、モノタイプ社のためにサンセリフ体「ギル・サン (Gill Sans) 」を設計し、1928年に発表した。
そこで、『ザ・フローラン』(1930年)のエリック・ギルの特集記事での組見本などから抽出したキャラクターをベースに、日本語組み版に調和するように制作したのが「K.E. Capricornus-Bold」である。
フツーラ(Futura)
ドイツ工作連盟(ドイツ・ヴェルクブント)のメンバーだったパウル・フリードリヒ・アウグスト・レンナー(1878−1948)は、バウワー活字鋳造所との共同作業によって、幾何学的な考え方で制作された書体「フツーラ(Futura)」を1927年に発表した。
そこで『フツーラ書体見本帳』から抽出したキャラクターをベースに、日本語組み版に調和するように制作してみることにしたのが欧字書体「K.E. Aquarius-Bold」である。
ヘルベチカ(Helvetica)
エドゥアール・ホフマンの指示によりマックス・ミーティンガー(1910–1980)によって1957年に設計された。最初はスイスのハース活字鋳造所の「ノイエ・ハース・グロテスク」としてリリースされたが、デザインを再設計するときに「ヘルベチカ(Helvetica)」に変更された。