2020年12月17日

「星屑書体集成」のこれから4

星屑のステージ 第三幕

『タイプフェイスデザイン漫遊』(株式会社ブッキング、2000年)で発表した「欣喜ラウンド」を発展させて「ロンド巴里」を、「欣喜イノセント」を発展させて「アンジェーヌ巴里」を制作している。これに「ルリユール巴里」「テアトル巴里」を加えた。
和字書体「アンジェーヌ」、「ルリユール」、「テアトル」、「ロンド」には、漢字書体「巴里」とともに、Sans Serif Roundedの組み合わせを考えた。書体名を、やはり星座の名前から「K.E.Orion DemiBold」にした。
「たうち林佶」「さなえ林佶」「いなほ林佶」は、フォントワークスから発売されている「はつひやまと」「わかばやまと」「みのりやまと」のカバーである。これに「まき林佶」を加えた。
和字書体「たうち」、「さなえ」、「いなほ」、「まき」には、漢字書体「林佶」とともに欧字書体のヒューマニスト体を組み合わせることにした。書体名は、やはり星座の名前にしようということで、「K.E.Cassiopeia Medium」にした。
「カルテ造像」「タクト造像」「ザイル造像」は、文鼎科技有限公司から依頼されて和字書体を制作した「AR魏碑體」のカバーである。和字書体「カルテ」、「タクト」、「ザイル」には、漢字書体「造像」とともにテクストゥール体「K.E.Ophiuchus Medium」を試作している。

(2020年12月24日更新、2021年1月2日更新、2021年7年10日更新)
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2020年12月16日

「星屑書体集成」のこれから3

星屑のステージ 第二幕

『タイプフェイスデザイン漫遊』で発表した「欣喜楷書」「欣喜行書」「欣喜隷書」は、「いぬまる吉備楷書」「きじまる吉備行書」「さるまる吉備隷書」として継承している。
「ゆきぐみ重陽」「つきぐみ月光」「ときわぎ七夕」は、リョービイマジクスから発売されている「花蓮華」「花牡丹」「花胡蝶」のカバーである。これに「はなぐみ花信」を加えた。
「ゆきぐみ重陽」は和字書体「ゆきぐみノーマル」と漢字書体「重陽」に「K.E.Taurus-Medium」を組み合わせた書体である。「つきぐみ月光」は和字書体「つきぐみノーマル」と漢字書体「月光」に「K.E.Sagittarius-Medium」を組み合わせる。「はなぐみ花信」は和字書体「はなぐみノーマル」と漢字書体「花信」に、新たに「K.E.Cygnus-MediumItalic」を制作することにした。「ときわぎ七夕」は和字書体「ときわぎクラシック」に漢字書体「七夕」、「K.E.Aries-Medium」を組み合わせた書体である。
「ゆきぐみラージ」には漢字書体「上巳」を、「つきぐみラージ」には漢字書体「端午」を組み合わせる。それぞれ「ゆきぐみ上巳」「つきぐみ端午」と呼ぶことにする。漢字書体名の「上巳」「端午」「七夕」「重陽」は五節句から取った。


(2021年7月10日更新)


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2020年12月15日

「星屑書体集成」のこれから2

星屑のステージ 第一幕(2)

漢字書体「白澤明朝」「白澤呉竹」「白澤安竹」
デジタルタイプ新世代として、近代明朝体の「白澤明朝」、ゴシック体の「白澤呉竹」、アンチック体の「白澤安竹」を試作している。白澤とは古代中国において、鳳凰、麒麟と同じように、有徳の王の時代に現れるという想像上の神獣である。
勉強会の写植文字盤プロジェクトで、体験学習のために「白澤中明朝」「白澤太ゴシック」「白澤太アンチック」の書体見本を作成した。書体見本12字を48mm角の専用下書き用紙に鉛筆で描き、フィルムに墨入れをして原字とした。これを縮小して簡易文字盤(四葉)に貼り込み、手動写真植字機PAVO-KYでテスト印字まですることができた。
この時、近代明朝体、ゴシック体とともに、漢字書体としてはあまり馴染みのないアンチック体を試作している。
① 東京築地活版製造所の見本帳で、「五號明朝」、「五號ゴチック形文字」とともに、「五號アンチック形文字」が掲載されていること。
② 写研の手動写植機文字盤に「石井横太明朝」があり、この書体について、佐藤敬之輔氏が『ひらがな 上』(丸善、1964年)のなかで「要するに漢字を加えたアンチック体である」と書いていること。
③ 写研のレーザー式電算写真植字機用デジタルタイプとして、本蘭ゴシック・ファミリーとともに本蘭アンチック(発表時は本蘭A明朝)・ファミリーが企画されていたこと。

以上のような経緯を踏まえて、近代明朝体、ゴシック体と並ぶ主要書体として、漢字書体のアンチック体を確立しておこうと思い、あえて試作しておくことにしたのである。
勉強会では、写植文字盤を製作して、テスト印字まで行ったところで終了したのだが、さらにデジタルタイプとして継続していこうと考えた。デジタルタイプ化にあたり、書体名を「白澤明朝」「白澤呉竹」「白澤安竹」に変更した。漢字書体は漢字表記にしたかったからである。
もうひとつ、『タイプフェイスデザイン漫遊』(今田欣一著、株式会社ブッキング、2000年)で試作していた「欣喜明朝W3」「欣喜ゴシックW3」という書体があった。ここで「欣喜アンチックW3」は、漢字書体を試作していなかった。
この二つを原点にしながら、デジタルタイプとして新しいイメージで作ってみようと考えた。混植する和字書体は「きたりすロマンチック」「きたりすゴシック」「きたりすアンチック」を想定している。

欧字書体「Vrijheid Serif」「Vrijheid Sans」「Vrijheid Slab」
和字書体「きたりす」、漢字書体「白澤」と混植する欧字書体として、「フレイヘイド」を制作する計画である。
「ときわぎロマンチック」+「白澤明朝」、「ときわぎゴチック」+「白澤ゴシック」、「ときわぎアンチック」+「白澤アンチック」の欧字書体は、それぞれ「Vrijheid Serif」「Vrijheid Sans」「Vrijheid Slab」を制作している。
「みそらセイム」+「白澤明朝」、「みそらテンガ」+「白澤ゴシック」、「みそらウダイ」+「白澤アンチック」についても、「Vrijheid Serif」「Vrijheid Sans」「Vrijheid Slab」を組み合わせる。
具体的には、フレイヘイド・セリフ(Vrijheid Serif)、フレイヘイド・サン(Vrijheid Sans)、フレイヘイド・スラブ(Vrijheid Slab)として、統一してデザインすることである。
できれば従属欧文ということばは使いたくない。日本語フォントは、和字書体・漢字書体・欧字書体が対等な関係だと考えて設計しているからだ。だから、たとえ日本語フォントの中の欧字書体であっても、「フレイヘイド(Vrijheid)」のように固有の書体名をつけることにしている。
新刻といっても資料をまったく見ないということではない。出島版『トラクタート(TRAKTAAT)』(ドンケル・キュルティウス編、1857年)に用いられた活字書体を参考にして、下書きから書き起こす方法で制作している。
「Vrijheid(フレイヘイド)」は、箕作阮甫を主人公にした小説『フレイヘイドの風が吹く』(市原真理子著、右文書院、2010年)から取った。
フレイヘイドとは自由を意味するオランダ語で、幕末当時の言い方である。オランダ語の発音とは異なるそうだが、書体名としては日本での慣例に従い「フレイヘイド」としておく。
鶴ヶ島市立図書館に出かけて、『講談社オランダ語辞典』(講談社)で「Vrijheid」を調べてみた。
vrijheid [女]
1 自由; 解放,免除
2 特権
3 勝手,気まま,無遠慮


(2021年7月10日更新)
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2020年12月14日

「星屑書体集成」のこれから1

「星屑書体集成」の書体は、『タイプフェイスデザイン漫遊』(株式会社ブッキング、2000年)で発表した書体と、フォントメーカーに提供した書体のカバーで構成される。

星屑のステージ 第一幕

「ときわぎ白澤明朝」「ときわぎ白澤呉竹」は、『タイプフェイスデザイン漫遊』で発表した「欣喜明朝」「欣喜ゴシック」を発展させて制作している。これに「ときわぎ白澤安竹」を加えた。
「ときわぎロマンチック」「きたりすロマンチック」「みそらセイム」には「白澤明朝」を、「ときわぎゴチック」「きたりすゴチック」「みそらテンガ」には「白澤呉竹」を、「ときわぎアンチック」「きたりすアンチック」「みそらウダイ」には「白澤安竹」を組み合わせる。
「きたりす白澤安竹」は、『タイプフェイスデザイン漫遊』で発表した「欣喜アンチック」を発展させて制作している。これに「きたりす白澤明朝」「きたりす白澤呉竹」を加えた。
「みそら白澤明朝」は、『タイプフェイスデザイン漫遊』で発表した「欣喜セイム」を発展させて制作している。これに「みそら白澤呉竹」「みそら白澤安竹」を加えた。

(2021年5月12日更新、2021年7月10日更新)
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2020年12月10日

「日本語書体三傑」のこれから4

日本語書体「おゝはなぶさ美華」「おゝくれたけ伯林」「おゝことのは倫敦」について

「日本語書体十二撰」は、まず本ブログの第4章、第5章で取り上げた8書体を「日本語書体八策」として順次製品化していった。さらに残り4書体を「日本語書体四坐」として、第6章1–4にまとめたところである。
和字書体、漢字書体との組み合わせを網羅することを考えて「日本語書体十二撰」を構想したのだが、それとは別に構想していたのが「日本語書体三傑」なのである。

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『+Designing』という雑誌にインタビュー記事が掲載された。取材は2017年8月17日に衆楽館閑谷学校前店で行われた。取材・文は島﨑肇則さんであった。その記事で「日本語書体三傑」の構想を紹介していただいた。
和字書体としては、「和字おゝはなぶさ Family 7」(2009年)、「和字おゝくれたけ Family 9」(2009年)、「和字おゝことのは Family 9」(2012年)としてリリースした。これに漢字書体、欧字書体を組み合わせて、グランド・ファミリーとして構築しようと考えたのである。
漢字書体においては、明治時代に東京築地活版製造所が制作していた近代明朝体・呉竹体・安竹体の主要3書体が復刻されることになり、欣喜堂としての第2の柱となりうるものだと考えている。

「KOおゝはなぶさ美華」ファミリー
「KOおゝくれたけ伯林」ファミリー
「KOおゝことのは倫敦」ファミリー

「KOおゝまどか美華」ファミリー
「KOおゝはるか伯林」ファミリー
「KOおゝたまゆら倫敦」ファミリー

「KOおゝはやと美華」ファミリー
「KOおゝくらもち伯林」ファミリー
「KOおゝみなもと倫敦」ファミリー


※2021年1月4日更新
posted by 今田欣一 at 08:15| Comment(0) | 6章:日本語書体12撰・第3期 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする