2021年10月31日

展望 札幌2021

3月に新型コロナウイルス感染症(COVID–19)の2度目の緊急事態宣言が解除されたとき、5月だったら大丈夫だろうと思い、5月23日からの予定で計画したのだったが、再び感染が拡大し、3度目の緊急事態宣言が発出され、北海道も蔓延防止重点措置が発出されるという状況になった。夏になると、感染が爆発的に拡大し、結局秋になってしまった。

2021年10月22日、金曜日。2年半ぶりに札幌を訪れた。スタートは札幌市立大学芸術の森キャンパスから。といっても別に用事があるわけではなく、芸術の森に来たそのついでに来てみたのだ。このエントラス棟からスカイウェイを通って本部棟へ繋がっている。デザイン学部の拠点である。

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[札幌芸術の森]

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2020年に予定していた札幌芸術の森へ。札幌芸術の森美術館、札幌芸術の森工芸館をめぐった後、芸術の森に移築されている作家・有島武郎旧邸を見学。木造2階建ての洋風建築である。

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札幌芸術の森野外美術館に入場。福田繁雄作『椅子になって休もう』などを見て回る。思っていたより起伏があり、思っていたより迷路だった。閉館は午後5時だが、午後4時を過ぎるともう暗くなり、足元が見えづらくなったので、急いで出口に向かった。

[札幌ほしくずナイト第1夜]

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宿泊は北海道大学の前にある札幌クラークホテル、夕食はその近くのレストラン・クラーク亭でハンバーグ(Mサイズ、ライス・スープ・サラダ付き)を。ホテルの502号室の窓から北海道大学を臨みながら、札幌ほしくずナイト第一夜と銘打つ時間にしよう。

1997年の会社設立時に作った「KINKI TYPEFACE LIBRARY」を見返している。まだ欣喜堂を名乗る前のことである。今から見るととても恥ずかしいのだが、これが現在の「ほしくずコレクション24」の原点である。
まず「ベーシック・タイプ」として「欣喜明朝」「欣喜ゴシック」「欣喜ラウンド」の試作がある。のちに「欣喜ラウンド」は「欣喜アンチック」に差し替えた。これが現在の「ときわぎロマンチック」「ときわぎゴチック」、「ときわぎアンチック」になり、漢字書体を加えて「ときわぎ白澤明朝」、「ときわぎ白澤呉竹」、「ときわぎ白澤安竹」という構想もある。
「カリグラフィ・タイプ」とした「欣喜楷書」「欣喜行書」「欣喜隷書」は、「いぬまる吉備楷書」「きじまる吉備行書」「さるまる吉備隷書」として継承しているが、もう一方で「ゆきぐみ」「つきぐみ」「はなぐみ」となった。漢字を加えて、「ゆきぐみ重陽」「つきぐみ月光」「はなぐみ花信」という構想もある。さらに「ときわぎ七夕」を加えた。また、字面を大きくして明朝体・ゴシック体とも混植できるようにした「ゆきぐみ上巳」、「つきぐみ端午」を試作している。
もうひとつの「ディスプレイ・タイプ」で試作していた書体は、カスタムメイドとして提案していった。その代わりに、多くの和字書体を制作した。それらにも漢字書体を加える構想があり、丸ゴシック体の「ロンド巴里」及び「アンジェーヌ巴里」「ルリユール巴里」「テアトル巴里」、書写体の「たうち林佶」「さなえ林佶」「いなほ林佶」「まき林佶」、魏碑体の「カルテ造像」「タクト造像」「ザイル造像」を試作している。



翌23日は、「さっぽろセレクト」というチケットを購入して、さっぽろ羊ヶ丘展望台、大倉山展望台リフト、札幌もいわ山ロープウェイの3箇所を回る計画を立てた。


さっぽろ羊ヶ丘展望台

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地下鉄南北線・東豊線、北海道中央バスを乗り継いで、さっぽろ羊ヶ丘展望台へ。パスゲートから「さっぽろセレクト」を使って入場する。
ここは四季が感じられる展望台である。今は紅葉の季節だ。広大な牧草地の向こうに札幌ドームが見える。クラーク博士と同じポーズで記念撮影している若者がいた。
札幌雪まつり資料館やクラーク記念館を見たのち帰りのバスを待っていると、パスゲートの係の人に声をかけられた。大倉山展望台リフトは、ジャンプ競技の公開練習があるのでリフトは利用できないとのこと。「さっぽろセレクト」を使ったので、心配して教えてくれたようだ。ありがたい。
さて「さっぽろセレクト」の2箇所目をどうするか。さっぽろテレビ塔展望台にするか、札幌オリンピックミュージアムにするか迷いつつ、大倉山ジャンプ競技場へ向かった。ジャンプ台の下から競技を見ることはできるらしい。


大倉山展望台リフト

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地下鉄東豊線円山公園駅から、JR北海道バス「くらまる号」で大倉山ジャンプ競技場に向かう。バスを降りて、どこから入っていいか分からない。なんとなく2階の札幌オリンピックミュージアムについてしまったので、「さっぽろセレクト」の2箇所目をここに決めた。
札幌オリンピックミュージアムは、オリンピック関連の資料展示もあるが、競技の体験コーナーがメインのようだった。子供たちが楽しく体験しているのをしばし眺めていた。
ここからジャンプ競技場を見ることのできる場所にどうやっていけばわからないので係の人に尋ねてみた。「さっぽろセレクト」でミュージアムに直接入れたが、なんのことはない、ミュージアムのチケット売り場は3階で、そこがジャンパーの滑り降りてくる地点に近いところだったのだ。
ジャンプ競技の練習日ということで無料公開されていた。もちろんジャンプ台から一直線に伸びる大通公園をこの目で見たかったのだが、練習とはいえ多くのジャンパー達が滑り降りてくるのを間近で見ることができて、これはこれでよかった。

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札幌もいわ山山頂展望台からの眺めは夜景が知られているので、暗くなるのを待ってから行くことにした。近くにある円山動物園では「どさんこの森」という施設でキタリスの亜種であるエゾリスに会ってきた。

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円山公園内の北海道神宮に参拝し、やっとのことで島義勇(しまよしたけ)の銅像を探し当てる。徒歩で円山公園駅に戻る。


札幌もいわ山ロープウェイ

円山公園から今度はJR北海道バスロープウェイ線で、もいわ山ロープウェイ山麓駅へ。「さっぽろセレクト」の3箇所目、最後のチケットをロープウェイ&ミニケーブルカーの往復乗車券に引き換える。

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もいわ山ロープウェイ山麓駅でロープウェイを待っているとき、虹がかかっているのがガラス越しに見えた。まさに札幌の虹だ。急いで写真を撮る。
ロープウェイとミニケーブルカーを乗り継いで、山頂展望台に到着。まだ薄暮であったので、多くの人が大きなカメラで三脚を立てて待っていた。私は寒いので2階のラウンジで待つことにした。待つこと40分、5時を回った頃から次第に暗くなった。日本新三大夜景のひとつを堪能する。

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[札幌ほしくずナイト第2夜]
レストラン・クラーク亭でビーフカレー(スープ・サラダ付き)を取った後、宿泊先の札幌クラークホテルに戻った。この時間からは、札幌ほしくずナイト第二夜と銘打って、活字体の構想に思いを巡らせることにしよう。

近代の書体について、欣喜堂ではつぎの3系列で試作している。
【第1系列】「日本語書体三傑」に含まれる。国名の漢字表記を書体名にしている。
美華(近代明朝体)/伯林(呉竹体)/倫敦(安竹体)
【第2系列】「日本語書体十二撰」に含まれる。五節句を書体名にしている。
上巳(近代明朝体)/端午(呉竹体)
【第3系列】「ほしくずやコレクション」
白澤明朝/白澤呉竹/白澤安竹
第1系列、第2系列に対して第3系列をどう位置付けするかを考えた時、白澤明朝体は、当初参考にしていた東京築地活版製造所の五号明朝活字ではなく、現代的な造形のほうが差別化できていいのではないかと思うようになってきている。

第3系列の「白澤明朝」「白澤呉竹」「白澤安竹」は、すでに発売している「ときわぎロマンチック」「ときわぎゴチック」「ときわぎアンチック」と組み合わせると同様に、「みそらセイム」「みそらテンガ」「みそらウダイ」とも組み合わせる。さらには「きたりすロマンチック」「きたりすゴチック」「きたりすアンチック」とも合わせられるようにしたい。そして欧字書体「Vrijheid Serif」「Vrijheid Sans」「Vrijheid Slab」も合わせられるようにしたい。
「白澤明朝」「白澤呉竹」「白澤安竹」は、「本蘭明朝」「本蘭ゴシック」「本蘭アンチック」に対する、白澤の宿望なのだ。リリースまでは遠い道のりかもしれないが、構想だけでも残しておきたいのである。



モエレ沼公園

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最終日の24日、地下鉄南北線、東豊線、北海道中央バスを乗り継いで、モエレ沼公園に向かった。モエレ沼公園は彫刻家のイサム・ノグチ氏が基本設計した、全体をひとつの彫刻とみなした広大な公園だ。
おすすめルートマップの短時間コースで、シンボルとなっているガラスのピラミッド「HIDAMARI」を中心に巡った。ガラスのピラミッド「HIDAMARI」の館内にはイサム・ノグチのギャラリーがある。

その後、2020年に予定していたサッポロファクトリーに行った後、午後からは札幌ドームに向かった。札幌市民交流プラザは、目ぼしいイベントが開催されていなかったこともあり行かなかった。さっぽろテレビ塔展望台もパスした。

[サッポロファクトリー]

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サッポロファクトリーはサッポロビール工場跡地につくられた大型複合商業施設である。1876(明治9)年に建設された開拓使麦酒醸造所がルーツで、大正時代の煉瓦造りの建物は、醸造設備や写真資料などが展示してある見学館となっている。

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ちなみに、サッポロファクトリーから道路を挟んで、株式会社アイワードの本社ビルがある。


[札幌ドーム]

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札幌ドームでは、午後2時キックオフのサッカーJ1リーグ、北海道コンサドーレ札幌VSアビスパ福岡の試合を観戦した。結果はスコアレスドローで、ゴールシーンは見られなかったが、初めてのサッカー観戦を楽しむことができた。

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posted by 今田欣一 at 14:19| Comment(0) | 終章:「白澤」の宿望、札幌の虹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする