『学校史に見る日本』(五味文彦著、みすず書房、2021年)より
JR足利駅から徒歩で足利学校へ向かう。足利学校は、閑谷学校などとともに「近世日本の教育遺産群-学ぶ心、礼節の本源-」として日本遺産に認定されている。
足利学校
足利学校は日本で最古の学校とされる教育機関である。最初に学校として創建された時期には諸説あるそうだ。
歴史が明らかになるのは、室町時代の1439(永享11)年、関東管領・上杉憲実が、現在国宝に指定されている書籍を寄進し、鎌倉円覚寺から僧・快元を招いて初代の庠主とし、足利学校の経営にあたらせるなどして学校を再興してからである。
上杉憲実は、足利学校を整備し、学校領とともに孔子の教え「儒学」の五つの経典のうち四経の貴重な書籍を寄進している。
足利学校の北隣にある鑁阿寺に足を運ぶ。
鑁阿寺
鑁阿寺は、鎌倉時代、1197(建久7)年に足利義兼によって建立された真言宗大日派の本山である。もともとは足利氏の館であり、現在でも、四方に門を設け、土塁と堀がめぐらされており、平安時代後期の武士の館の面影が残されている。
この日は時間がなくて行けなかったが、少し歩けば足利織姫神社がある。
足利織姫神社
昭和8年に当時の足利織物同業組合組長・殿岡利助の先導により、市民ぐるみで火災で消失していた社殿の再建に着手し、3年の歳月をかけて、当時では珍しい鉄筋コンクリートで完成、遷宮している。