2025年02月07日

[札幌追想④]ポスター〜活字体使用の多様化を考えた

活字体は、金属活字から手動写植、電算写植、DTPと変遷していくにつれ、紙に印刷された書籍にとどまらず、電子書籍、WEBメディアへと用途が拡大してきた。さらには、手書きが担ってきたプライベートな文章までも活字体が使われるようになった。
さらには、ポストカード、フライヤー、リーフレットなどの小型印刷物、広告、ポスター、書籍の装幀、商品パッケージなどの立体物、さらには看板、サイン、デジタルサイネージなどの大型の媒体にも広がり、いわゆるレタリングが賄ってきた範疇を取り込んでいった。

2021年の札幌の旅は、札幌のアートにふれあう旅であった。1日目に『札幌アートウォーク』(谷口雅春著、露口啓二写真、北海道新聞社、2009年)に掲載されていた札幌芸術の森、3日目にモエレ沼公園、札幌ドームを回った。
モエレ沼公園のガラスのピラミッドの写真を使って、「KOきたりす白澤呉竹B」で「札幌市平和都市宣言」を組んでみた。非公式の広報ポスターとなった。

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もうひとつのテーマは三大展望台めぐり。2日目に「札幌セレクト」という割引券を利用して、羊ヶ丘展望台、大倉山展望台(ジャンプ競技開催のためリフトには乗れなかった……)、藻岩山展望台(もいわ山ロープウェイ)を訪れた。
羊ヶ丘展望台から札幌ドームを見下ろす写真を使って、「KOきたりす白澤安竹BK」で「札幌市市民憲章」を組んでみた。こちらも非公式の広報ポスターである。

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posted by 今田欣一 at 15:05| Comment(0) | 漫遊★札幌追想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月01日

[札幌追想③]電子書籍〜本文書体の可能性を考えた

活字書体は本文で使うことが一番の目的である。本文といっても紙の本にはとどまらない。そのひとつが電子書籍端末である。
私は2020年8月に電子書籍端末kindle paperwhiteを購入し、娯楽のための読書はもっぱらkindle paperwhiteを使うようになった。
kindleにフォントを追加する方法は、 kindleをPCに接続し、fontsフォルダの中に使いたいフォントを配置するだけである。私は欣喜堂の書体10書体以上を入れており、読んでいる本の内容に合わせて、書体を変えて読んでいる。
従来は、読者側で書体を選択することはできなかった。本の読み方の新しい可能性が広がったように感じる。

2020年は新型コロナウィルス感染症蔓延により札幌に行くことができなかったので、札幌に関する本を読むことにした。ちなみに北海道文学館には2019年に行っている。
『北の人間北の文学』(北海道文学館編、尚文出版、2008年)は北海道に関する文学作品13編、詩・短歌・俳句・川柳、およびアイヌ神謡集をまとめた本である。
この本に掲載されていた有島武郎『小さき者たちへ』の本文をきたりす白澤明朝にして読んでみようと思った。千歳古典名作文庫kindle版『小さき者たちへ』(有島武郎著、千歳出版、2023年)を購入した。
有島武郎(1878–1923)といえば、2018年に行った「北海道開拓の村」には「旧有島家住宅」があり、2019年に通った「大通公園」には「有島武郎文学碑」が建っている。さらには2021年に訪れた「札幌芸術の森」にも「旧有島武郎邸」がある。札幌とゆかりの深い作家なのである。

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posted by 今田欣一 at 08:03| Comment(0) | 漫遊★札幌追想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする