『本の虫の本』(田中美穂ほか著、創元社、2018年)、『本のリストの本』(正木香子ほか著、創元社、2020年)の本文に「たおやめM」が使われていることについて、takumi氏がSNSに次のような投稿をしていました。実際にその本を読んだ上での感想だろうと思います。
本文で読ませる文字として使うにはシンドイ感じがします
「たおやめM」は、昭和初期に広く使われてきた活字書体をもとにして再現した書体です。本文で使われていた書体を復刻したにもかかわらず、「本文で使うにはシンドイ」と感じるのはなぜなのでしょうか。
正木香子さんは、『本を読む人のための書体入門』(正木香子著、星海社、2013年)のなかで、「たおやめ」の原資料となった活字書体について次のような感想を書かれています。
子供のころは、こういう文字をみるとなんだか古い鏡の中にお化けが映っていそうな気持ちがしてこわかったのに、大人になってから急に愛着が増した書体です。
おしろいの匂いみたいな大人っぽさが、いつの間にか等身大に感じられるようになったのかな。お化けも、女も、似たようなものかもしれないけれど。
読む人の年齢や読書経験によって、その書体に対する印象が変わってくるのかもしれませんね。