『佐倉順天堂 近代医学の発祥地』(日本医史学会・国立歴史民俗博物館編、日本医史学会、2012年)より
2023年3月19日、日暮里から京成本線成田空港行特急で、京成桜(京成佐倉)駅へ。
佐倉市・京成電鉄・ちばグリーンバスの「桜に染まるまち、佐倉」というキャンペーンを、3月18日から4月9日まで開催しており、この期間だけ「京成桜」という駅名になっている。
佐倉順天堂記念館(旧佐倉順天堂)京成桜駅から20分以上歩いて、佐倉順天堂記念館へ。佐倉順天堂の開設者である佐藤泰然(1804–1872)の銅像が建っている。
佐倉順天堂は、長崎で蘭医学を修め、江戸で開業していた佐藤泰然が、佐倉藩主・堀田正睦(1810–1864)の招きを受け、佐倉本町に蘭医学塾及び診療所として、1843(天保14)年、「順天堂」を開設したことに始まる。
泰然は帝王切開などの新しい外科手術を行い、種痘の普及にも努めるなど最先端の診療を行った。また、西洋医学による治療と同時に医学教育が行われ、佐藤尚中をはじめ明治医学界をリードする人々を輩出した。
1865(慶応元)年の記録によれば、塾生は北海道から熊本県までの全国から100名にも及び、泰然の弟子は数百名、孫弟子まで含めると3,000名を超えるといわれる。
明治中頃の佐倉順天堂病院の復元模型(100分の1)が展示されている。
旧堀田邸途中、レストランCostaにてランチを取った後、旧堀田邸に向かう。
旧堀田邸は、最後の佐倉藩主であった堀田正倫(1851–1911)が、1890(明治23)年に建てた邸宅である。堀田正倫は本邸として居住した。玄関棟、居間棟、書斎棟、座敷棟、湯殿棟、門番所、土蔵の7棟が国の重要文化財に指定されている。
佐倉武家屋敷旧堀田邸から、またまた20分歩いて佐倉武家屋敷へ。
城下町佐倉にタイムトリップしたかのような通りに面して、「旧河原家住宅」、「旧但馬家住宅」、「旧武居家住宅」の三棟の武家屋敷があり、現在公開されている。三棟とも江戸時代後期の建築で、佐倉藩士が暮らしていたものだそうだ。
佐倉武家屋敷からひよどり坂を抜けて、大手門跡広場、国立歴史民俗博物館くらしの植物苑、佐倉城址公園を通りぬけて、国立歴史民俗博物館へ。桜はまだ少し早いが、ちょうど「佐倉・時代まつり」が開催されていて多くの人が出ている。
すでに15時半になっていたので、まず企画展示「いにしえが、好きっ!-近世考古図録の文化誌-」を見学。閉館時間の17時になってしまったので、常設展示は見ることができなかった。また次の機会に見学することにしよう。